ゆるやかなバックギャモンとその敵
どうも、まぜしです。
皆さんはバックギャモンを知っていますか?
そう、こんなやつです。
名前や見た目ぐらいは知っているという方が多いのではないでしょうか。
「どうやって遊ぶんじゃい!」
「三角形のギザギザがいっぱいって、逆ゲジゲジかて!」
「自由に駒置いてったんか? フィボナッチ的なあれか?」
「32って、合コンで使うサイコロかい!」
様々な疑問の声が聞こえてきますわな。
気持ちは分かります。私も最初はそうでした。
ここから、それらの疑問をざっくりと解消しつつ、バックギャモンの魅力をお伝えしていきたいと思います。
ちゃんと知りたい方はWikipedia読むなり、なんか麻雀教本のバックギャモン版みたいなのとか、そういうので勉強して下さい。
「バックギャモン」つーのは、すごろくなの!
知ってましたね。だってサイコロと駒があるんですものね。「ナメとんのか!」と言われてしまいそうです。
じゃあ問題です。このすごろくのゴールがどこだか分かりますか……?
すべてを分かった気になってるんじゃねえよ!!!!!!!!!
バックギャモンの盤面はこのようになっています。
細長い三角形が1マス扱いで全24マス。半分行ったところで折り返し、駒を進めていくわけです。初期配置は画像の位置で決まっていて、ゴールから遠い駒もあれば、すぐ近くの駒もあります。人生みたいで嫌になりますね。
ここで大事なのが、自分と対戦相手で進行方向が逆だということ。
「それじゃあ、ぶつかりそうになったら譲り合うんですか? 江戸仕草みたいな?」
んなわけねーだろがい!!!
強制的にフリダシに戻す喧嘩神輿
もし相手の駒が1個だけ孤立しているところに、自分の駒が止まると、相手の駒をフリダシ(盤外)に戻すことができます。
先ほどの画像の通り、バックギャモンでは1つのマスに複数の駒を置けます。しかし、それは同族の駒に限られるのです。
つまりバックギャモンは、バラバラの初期配置から、なるべく孤立しないように駒を選んで進めていくゲームなんですね。
人生みたいで嫌になりますね。
フリダシに戻した後が本番
相手の駒が1個のところに止まると、その駒をフリダシに戻せます。じゃあ止まったマスに相手の駒が複数あったら?
たくさんあってお得ですよね。
その場合、そのマスへの移動は不可となります。動かせる駒を選んで動かしましょう。
――そして、このルールのおかげで、強烈なハメ技が可能となります。
例えば次のような盤面。
フリダシに戻された白い駒は、まず1~6のどれかのマスに復帰する必要があります。
フリダシの駒の復帰は最優先事項です。もし復帰させられない場合、盤上の他の駒は動かせずに1回休みとなってしまうという、ゆとり教育の授業進捗みたいなルールになっています。
つまりこの盤面、白は無条件で1回休み。黒の駒が次々とゴールして隙間ができるまで、何ターンも連続で。
嫌ですね。恐ろしいですね。
すごろくで一番つまらないのが1回休み。それが人為的に引き起こせてしまうのです。
個人攻撃が許される容赦の無いすごろく、それがバックギャモン。
こんな勝負、やってらんねーよな!!!
ダイス運によって、早々に先ほどのような無限1回休みに陥る場合があります。
そんなゲーム、やってらんないじゃないですか? リセットしたいじゃないですか?
そこで使用されるのが、32とか64とか書かれた謎のサイコロ「ダブリングキューブ」!
通常バックギャモンは、5ポイントマッチなど複数回の勝負が前提です。テニスとか卓球みたいな感じ。
自分の駒を先に全部ゴールさせたら1回勝利。それを5回。
「お、今回は圧倒的に勝てそうだぞ」といったときに、勝負の途中で「今回勝った方の勝利ポイント、倍にしませんか?」という提案が出来るのです。
相手はポイント倍の条件を呑んで勝負を続けるか、「1ポイントあげるから勘弁して下さい」とその時点でゲームを終了し次のゲームに移るか、自由に選択できます。
もし、銃口を突きつけられた側が続行を選び、そして運良く優勢となった場合、「あんさんさっきは随分と威勢がよかったやないですか。ほな、今回勝った方のポイント、さらに倍にしましょか?」と銃口を突きつけ返すことも可能!
(ダブリングキューブは2・4・8・16・32・64の刻印があり、今の得点レートを示すのに使います。……64とか、いつ使うんだ?)
銃口の突きつけ合い! マウント合戦! こんなアグレッシブに攻撃し合うすごろくが他にあったでしょうか?
まとめ
細かい部分はすべて省いて、美味しいエッセンスのみをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
ハメ技で相手を行動不能にし、銃口を突きつけ合う、暴力すごろく。バックギャモン。
やられる前に、やりましょう。